<ジュネーブ詩編歌116>
1.われ主を愛しまつる / げに わが願い聞きたもう
われ呼びまつりしときに / 主は耳 傾けたもう
2.陰府の苦しみ臨み / 死の力 囲むときに
われは主の御名を呼べり / いのち救いたまえと
3.主は愛に富みたまい / 恵みと義の主にいます
弱き者 守りたまい / 低き者 助けたもう
<牧会祈祷>“降誕節”“公現節”
主イエス・キリストの父なる神よ。古き年は去りゆき、新しき年が来たる中、戦場で、極寒の地で、惨禍の下で、クリスマスを迎えた人々は、数知れません。日常が戦時下となり、故郷が被災地となり、暮らしと命を脅かされたままの子供たちも、数えきれません。とめどない涙と、おびただしい血が、流され続けます。
創造主にして摂理の神よ。御覧ください。闇は深まり、混沌は増すばかりです。全人類は戦争を止めることができず、全世界は滅亡に向かって突き進んでいます。私たちはいっこうに、停戦と和平の道を、融和と共生の道を、見出せていません。国連は万策尽きて、人類の叡智も廃れ、不可能と絶望を前に、立往生しています。
そんな私たちのために、クリスマスは訪れました。布に包まれた嬰児イエスよ、あなたこそ力ある神です。飼い葉おけに寝かせられた貧しい人の子よ、あなたこそ永遠の父です。徴税と徴兵の対象とされたマリアの初子よ、あなたこそ驚くべき指導者です。世の罪を取り除く神の小羊よ、あなたこそ平和の君です。
あなたを愛する私たちは、あなたの弟や妹とされ、平和を造り出す神の子らとされました。あなたを畏れ敬い、へりくだりと従順を学び、正義を腰の帯とし、真実を身に帯びます。どうか、お示しください。私たちの行くべき道を。どうか、お導きください。私たちの目指すべき真の勝利へと。
贖い主イエスさま、罪の贖いだけでは救われない、私たちを憐れんでください。生まれつきの病気や障碍、育てられた環境や風土、突然襲われた戦争や災害など、身に覚えのないことで苦しめられる、私たちを顧みてください。今味わっている苦しみの意味を、それでも生きなければならない意味を、見出させてください。
大祭司イエスさま、私の苦しみは、あなたのための苦しみ、あなたとともなる苦しみです。ゆえに、高く挙げられる苦しみです。私の弱さは、あなたが背負われた弱さです。ゆえに、神の力が現わされる弱さです。私の愚かさは、あなたが味わわれた愚かさです。ゆえに、神の知恵が示される愚かさです。
今日を懸命に生きている若者たちに、明日を主に委ねる賢明さを得させたまえ。誰かを懸命に支えている兄弟姉妹に、誰かに支えてもらう賢明さを得させたまえ。主に懸命に仕えている働き人らに、労苦から喜びを見出す賢明さを得させたまえ。神に懸命に祈っている礼拝者らに、互いに赦し合うことの賢明さを得させたまえ。
悲しみは愛。悲しみがなくならないのは、愛がなくならないから。悲しみが深く大きいのは、愛が深く大きいから。耐えがたい悲しみを忍んでいる隣人たちを、見過ごしにされている友人たちを、今ここにいる私たちを、真の平和へと、導きのぼりたまえ。主の御名によって祈ります。アーメン
<ジュネーブ詩編歌117>
世界の民らよ 主をたたえまつれ われらに賜いし
愛とまこととは 大いなればなり ハレルヤ ハレルヤ
<祝祷>
主があなたを祝福し、守られるように。主が御顔を向けて、あなたを照らし、恵みを与えられるように。主が御顔をあなたに向けて、平安を賜るように。主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなたがた一同と共にあるように。アーメン